LEDライト自作記

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キーホルダー型のLEDライトは1本千円~3千円くらいで買えて、小さくて明るい。 とても便利である。いろいろ購入して試したが、最も長期間実用的に使ったのは 下の製品である。

照射された光の像がとても綺麗で、用が無くても点灯したくなるくらいである。自分にとって 初代LEDライトと言える。

使っているうちに、理系人間としての欲が出てきた。



   もっと明るくしたい



と。この思いから、際限ない明るさへのこだわりが始まるのである。。。

とりあえず、上のライトを分解してみた。 するとボタン電池と白色LEDのみだった。こんな 単純な構造なら、LEDをより明るいものに差し替える だけでより明るくなるだろう、と思った。 さっそくシリコンハウスに出かけて、 明るそうなLEDを手当たり次第購入した。ちなみにシリコンハウスとは、 大阪で唯一電子パーツを店頭で総合的に扱っている店である。 店内はそこそこ広くて綺麗で、抵抗1つから目で見て選んで購入することができる 電子工作人にとって非常に都合の良い店なのである。

購入したLEDのうち、メインはこれNSPW500BS。9200ミリカンデラ。

この手のLEDは明るさがミリカンデラで記されているが、カンデラは 単位立体角当たりのルーメンであって、位置(向き)によって異なる値になる。 製品に記載されるカンデラはその最高値であって、値が大きいからといって 得をするわけではない。 そのLEDが本当に明るいかどうかはルーメンで決まる。 同じルーメンのLEDでもレンズやLEDの先端の形を変えると カンデラは変わるのだ。下の図の2つのLEDは素子は同じなので ルーメンはどちらも同じだが、製品に記載されるカンデラは 左のものの方が右のものより大きく記載される。

話を戻して。。。購入したLEDを分解したライトに取り付けようとしてみた。 ところが、筐体が狭くて取りまわしに苦労し、結局失敗した。 知らなかったとかならともかく、小手先の技術が足らなかったことによる失敗は 恥以外何モノでもなく、かなり悔しかった。半田ごてやニッパーをバラバラと 散らかしつつ、失敗に終わり片付ける時のむなしさといったらかなりのものである。 しかしその後開き直って明るいライトが作れれば何でもいいやと思うようになり、 再びシリコンハウスに赴き、上のLEDを一度に10個買ってきた。 そして下のようなものを作った。これが2代目となる。

仕様であるが、電池はパナソニックのアルカリ単4×4で6V、LEDは 同じく日亜の5mmの白色LEDで一番明るいもの(NSPW-500BS)を10個並列、 そして電流調整用の可変抵抗である。正統派のライトマニアは少ない電池と 昇圧回路等を使って電流を調整するのであるが自分はそこまで回路の知識が 無いのと面倒くさがりやなので、電池の内部抵抗とLEDの個数をバランス させるという荒療治を行った。可変抵抗の抵抗をゼロにするとすごく明るい。

この2代目ライトはその後なかなか役に立ったが、筐体が大きく、日常的に 持ち歩けるものではない。もっと小さくしたい。 そこで、より明るくて場所をとらないLEDを探していたところ、 シリコンハウスでこれをみつけた。

Lumileds の Luxeon Star 5Wである。これは現時点で 製品のサイズ当たりの明るさが世界最高であろうLEDである。 価格も相当なもので、シリコンハウスでは1つ7000円程度。 製品として既に星型のヒートシンクがついている代物である。 単独で光らせると手で触れないくらい熱くなるので、 最低限の放熱対策なのだろう。

このLuxeon Star 5W をまず手始めに1つだけ買って、 下のようなものを作った。これが3代目。

電池は安物のアルカリ電池006Pの9Vで、2代目と同様に電流調整用の可変抵抗もつけた。 単独で試験する限り電流は1A程度でちょうどよかったが、上のようにして使い始めると 電流が流れすぎてしまい可変抵抗が焼けてしまった。また、006Pを安物ではなくて パナソニックの006Pにすると2Aくらい流せることもわかった。 しかしそうなると可変抵抗だともはや対応できないのと、電池を替えることで 倍の電流が流せそうだということで、このLuxeon Star 5Wをもう1つ購入して、 下のように10W仕様に変更した。これが4代目。

今回は大電流に弱い可変抵抗を止め、抵抗有りor無しの スイッチ式とした。LEDの発熱がすごいので、剣山型のヒートシンクも つけてみた。普段は抵抗有りの状態で使用し、ここぞという時だけ 抵抗無しのクサリを切った状態で使用する。ただしクサリを切った状態の 連続点灯は10秒が限界。それ以上だとこの程度のヒートシンクでは 放熱が十分でなくかなり熱くなる。

ところで、世のライトマニアはコリメーターと呼ばれる光学系(ようするにレンズ) を使って照射パターンを調整したり平行線光源にしたりする。そうすることで 同じLEDでも見かけのカンデラ数を上げることも可能だし、より「明るい」ライトを 作ることができる。闇夜の車の整備作業などでは見ている部分が1点だけなので ランニングコストなども考えれば平行線光源のほうが効率が良いだろう。 しかし自分はあえてコリメーターを使わず、点光源とした。そのほうがより自然な光源に なるからである。それに実際にやってみるとわかるが "気持ちいい"。 小さな点から「シュパーァっ」と四方八方に明かりが広がるのはなんとも未来的で 気持ちが良い。

この10Wの4代目は半年ほど使った。その間、実に いろいろな場面で役に立ってくれた。純理系人間や変わった物好きな人には クサリを切った状態で見せるとその明るさに非常に興味を持つようであった。 ちなみに人に見せている間にわかったのだが、世の中では「LED」という言葉は まだあまり認知されていないようである。発光ダイオードと言えば分かってもらえても 「LED」だとなにやら怪しい薬か何かかと思われてしまうらしい。

しかし理系人間としての興味はとどまるところを知らない。 ネットで調べると、Luxeon Star 5Wのような放熱板付ではなく、 LED単体のがもっと安く入手できることがわかったので、 いっきに4つ購入した。型番は放熱板有りのスターが LXHL-LW6Cで、無しがLXHL-PW03。 ちなみにこれはこのLEDに限らない話であるが、 通販を使えば「なぜ?」と驚くほど物が安く買えることが多い。 それだけ普段の買い物においては流通コストという要素が大きいのだろう。

そしてLXHL-PW03を4つ使って20W仕様で下のようなものを作った。これが5代目。

放熱対策は写真でわかるようにアルミ板のみ。 抵抗無しのクサリを切った状態で3秒も点灯するとかなり熱くなる。 これはもはやネタとしてのライトである。。。 4代目の電池はパナソニックの006Pであったが 5代目のはCR2×4とした。 これは実にいろいろな電池をテストした結果の結論である。 電流は3.4Aほど流れている。この3.4Aというのはリチウムならでは!!! 同条件だとパナのアルカリで2.0A、オキシライドで2.6A。 ちなみに006P用のスイッチ付ケースがジャストフィット。 CR123Aでも同等の性能が出るがこちらは一回り大きいので キーホルダーサイズのライトとしては使えない。

上の写真はいろいろなテストをしていて貯まった電池であるが、 この中にキャパシタというものがある。キャパシタとは要するに コンデンサなのであるが、容量が一般のコンデンサと3~4桁くらい違う。 大きなコンデンサ、小さな電池といったのがキャパシタである。 キャパシタを使うと非常に短時間で充電が可能である。理由は当たり前で、 化学反応を使っていないただのコンデンサだから。 この「電池」もいろいろテストしてみた。その結果、大電流ライト用途 としては15秒充電して3秒放電、そんな具合だった。しかも電流の大きさが 指数関数的に変わるので追加回路無しでは使えない感じ。 しかし情報を収集するとナノゲートキャパシタという汎用電池並の 容量を持った超大容量キャパシタが開発中らしい。これが完成すれば 携帯のバッテリーや乾電池は全てこれに置き換わるであろう。

下は、5代目ライトの20Wで、部屋がどれくらい明るく なるかベンチしてみたその結果である。 撮影条件はQV2800UXという古いデジカメで、F3.2、0.1秒。

まず、天井のシーリング(114W)で部屋を撮影。

つぎに、よくある「ちょっと暗いモード」(66W)で部屋を撮影。

そして、シーリングを消灯し真っ暗闇にしてから、20Wの5代目のみで部屋を照らして 同様に撮影すると、こんな感じ。 懐中電灯のようなスポットが無いために、自然な感じ。 ただしシーリングとの差は歴然。

ちなみに4代目の10Wのだとこんな感じ。