エンジンブローその後

BNR32 が昨年末にエンジンブローした。 その時の顛末はこちら。

当然、修理をしなければならない。 まず最初に車を買った中古車屋に見積もりを取ってみた。 その結果、タービンは逝っていないようなので 新品エンジン+工賃+諸部品で90万円くらいとのこと。

別のチューニングショップ(ネットで見つけたうちの近所の ショップ)では 同じ内容の場合80万円くらいとのこと。

どちらにしても金額が金額である。ぽんと出せるほど自分は余裕がない。 冬のボーナスは既にいくらかが別の使い道で消えることが確定しているため ひとまず春のボーナスまで修理を待つことにした。

その間の4ヶ月はいっさい車を運転できなかった。 自分をよく知る人は「よく我慢したね」と言ってくれるが 実際やってみると、大阪という土地柄では車はなくとも 十分生活できた。帰省したり大勢で遊びに行ったりホームセンターに 大きいものを買いに行ったりする時が少し大変ではあった。



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そして春のボーナス。毎年春のボーナスは乱高下するのだが、今年は 可も無く不可も無く、普通であった。気持ちに余裕は出たが まだまだ余裕を持って修理できるほどではない。それに今後の ためにお金は取っとく必要もある。

しかしいつまでもこのままではいけないので、ボーナス直後 に近所の例のチューニングショップに赴いた。


うちのすぐ近所。競技車両が店の前にたくさん並んでいる。

いろいろ話すこと30分。とりあえず分解前に車を見てもらうことになった。 その結果、症状や状態からメタルが逝った典型的な例であろうと判断され、 通常のエンジンオーバーホールコースを選択した。オーバーホールだと 最初考えていた新品エンジン載せ替えより大分安く済むそうである。 新品エンジンは聞こえは良いが、ノーマルエンジンである以上、結局 分解して要所要所を強化品に取り替える必要があるため、 予算的と効率を考えると損なのだそうだ。

そして工賃の都合からこの際クラッチも強化品に替えることにした。 今後エンジンを再度分解しなくても良いようにあちこち強化品に 変更して、結局120万円のコースとなった。もちろんローンである。

ここまで決めてから、実際の修理が始まった。車は自走できないので 積車で引き取ってもらった。積車に乗る愛車というのは 見るのがとてもつらい。


ウィンチで引かれる愛車。



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しばらくして店の人から連絡があった。「思ったより重症です」と。 これだけを聞くとよくある営業トークのように思えてしまうが、 いろいろ説明され、どうも本当にヤバイらしいということがわかってきた。 とりあえず「見たらショック受けますよ」と宣告された。 それで日曜にデジカメを持って実際に見に行った。

店の奥にある小部屋に通されると分解された愛車のエンジンがあった。

 
分解された愛車のエンジン。

まず、症状を説明された。初期の頃に予測されていたメタル自体の 焼き付きはそれほどひどくないということだった。クランク シャフトの状態もまだ利用できる程度らしい。

 
比較的まともだったクランクシャフトとメタル。

しかしそれ以外が全滅、とのこと。

まず、エンジンブロックが傷だらけ。写真ではわかりにくいが シリンダー内部をピストンが破片と一緒に上下したような縦方向の傷が たくさん入っていた。指で触るとザラザラしていた。


何かがひっかいたような傷だらけのシリンダー壁。

ピストンも端が欠けまくっていた。普通に使ってるとこのようなことは 起きるはずがなく、何かの破片と一緒に動いたためらしい、とのこと。

 
特に大きく欠けていた部分。

安直なブーストのかけ過ぎによるノッキングの跡がバルブ周辺にたくさん 見られた。

 
クレーターのようなノッキング跡。

オイルポンプがびくともしない。ようするにオイルが全く循環できない 状態だったらしい。


正常なら内側が滑らかに回るはずのオイルポンプ。びくともしない。

新旧のタービンが焼きついている。新しいほうは少し回るが古いほうは がっちり焼きついている。


タービンまで焼きついていた。

これらを総合的に考えると、下のようなシナリオが考えられると言う。

①まず、中古車として購入するより以前に、前オーナーがおそらく タービンを1基ブローさせた。その際、ブレードか何かの破片がシリンダー内に 入ってしまった。通常はこの時点でエンジンのオーバーホールとなるが 前オーナーはタービンの交換だけで済ませてしまった。

②この後に自分が購入した。しかし既に破片がエンジン内を 縦横無尽に暴れまわっており、末期の状態になっていたらしい。 自分は購入直後から「GTRの加速って思ったほどではないなぁ」と こぼしていたものだが、それはやはり本来のGTRではなかったためらしい。

③加速に満足できない自分は禁断のオリフィスはずしを行った。 これは手軽にブーストを強制的にあげる方法である。 とりあえず加速感は向上した。

④ところが燃調も考慮していないブーストアップと破片が暴れまわった シリンダー内でノッキングが多発した。

⑤20万キロ走っている車の寿命のためか、破片がオイルラインに 詰まったかの理由で、ある時オイルポンプが止まった。

⑥その結果、エンジン回りの全てにオイルが回らなくなった。

⑦オイルが根元から行き渡らない状態になったのでオイルが 必要な部品全てが焼きついた。

と思われる。タービンを手でまわしてみてもほとんど回らないし、 オイルポンプの軸受けも全く回転しない。全てが焼きついた状態である。 逆に言えば、それほどオイルというのは重要な役割をしているのだ。

というわけで、120万のコースでは足らない状況になってしまった。 しかしエンジン本体は店の人の手腕と中古パーツでなんとかなると言う。 (オイルポンプなどは新品を使うが)。問題はタービンである。 これは最初の想定範囲になかったらしく、どうしても追加予算が必要らしい。 苦慮の結果、いずれやるだろうライトチューンナップも今回含める ことにした。これを書いている時点でまだ詳細は決まっていないものの 追加40万くらいは必要になるらしい。1年分の車に関する遊び代を 先に回したと考えることにした。

だから今後1年くらいは車を絶対に壊してはいけない、ということになる。